浅草寺本堂屋根が、大谷美術館賞を受賞。
新日鐵チタン建材の意匠性とともに
耐震性、安全性が評価されました。
2011年3月16日

平成大営繕がつつがなく執り行われ、日本瓦の風合いを巧みに再現したチタン本瓦により大屋根を葺き替えられた浅草寺本堂が、平成22年度大谷美術館賞を受賞。さる3月10日、大谷美術館において授賞式が行われ、浅草寺、清水建設株式会社、新日本製鐵株式会社に対して同賞が贈られました。

受賞タイトルは、「大規模チタン製段付本瓦葺き屋根の実用化(浅草寺本堂)」。
伝統的な寺社建築に、従来の土瓦より軽量なチタン瓦を採用。光沢度の緻密なコントロールにより実現した3種類の表面仕上によるチタン本瓦を、屋根面にランダムに配置し施工することで、日本瓦の風合いを巧みに再現したことが受賞の理由。また、美しさのみならず耐震性(*)、安全性に配慮したことも併せて評価されました。

新日鐵チタン建材採用物件の同賞受賞は、平成16年度の「伝統美・夢素材の屋根 アルミナブラスト仕上げのチタン屋根・外装材」、平成18年度の「チタン製段付き本瓦葺き屋根及び鬼瓦(浅草寺宝蔵門)」に続いて3度目となります。

大谷美術館賞は、長年にわたり金属を研究、日本機械学会機械材料・材料加工部門の初代部門長を務めた同美術館の大谷利勝理事長が、材料表面の美的評価向上に関する優れた作品および顕著な技術・業績を顕彰するため創設したもので、今回が8回目にあたります。


(*)チタン建材の耐震性につきまして
「チタン建材そのものが建物の耐震性を向上させる」というような客観データは得られておりませんが、「屋根重量を軽くすることにより建物の重心を下げることができる」という観点から、揺れを受けました際の建物の安定度に関しましては、多少なりとも向上に貢献できるかと考えられています。
また、瓦形状のチタン屋根材につきましては、土製瓦と比べました場合、単位面積あたりの重量が軽く、釘等により屋根本体下地に強固に固定されますため、揺れによる落下の危険性は多少なりとも軽減できるものと考えられています。




 
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