海に近い立地と阪神淡路大震災の経験から、
塩害に強く軽量なチタンを採用した
西林寺屋根改修工事が竣工。
雨樋も、チタン製を使用。
2007年10月25日

文人・永井荷風ゆかりの寺である兵庫県明石市の西林寺で、本堂屋根の改修工事が竣工。従来の銅屋根が、新日鐵チタンで葺き替えられました。

西林寺が立地するのは、明石海峡のほど近く。現在は海との間に防波堤が築かれていますが、それ以前は境内のすぐ手前まで海が迫っていて、台風などの強風時には海藻が屋根に打ち上げられることもあったといいます。
屋根の傷みも激しく、直接波しぶきを受ける海側部分は、いく度か補修を重ねてきました。

そのため今回の改修にあたっては、いったんは瓦の使用も検討されました。
ところが、小屋組が当初の銅板屋根を前提に設計施工されていたため、瓦屋根を載せる耐久性が得られないことや、阪神淡路大震災を経験していることからも、比類なき耐食性をもち、かつ軽量で耐震性への貢献が期待できるチタンが採用されることとなりました。

また、屋根本体はもとより、鬼飾りや懸魚、破風板包みにもチタンが、海側では大瓶束までチタンが採用されているほか、雨樋もチタン製が採用されています。

本物件のように、屋根に付帯する部材においてもチタンを積極的に採用することにより、「チタンの特性を活かした屋根・建物の高耐久化」がより推進されることと期待されます。


■物件データ

西林寺本堂屋根改修工事
・施主:西林寺
・施工:株式会社カナメ神戸営業所
・使用材料:ND20、板厚0.3ミリ
・施工面積:約430平方メートル



海側は大瓶束までチタンを採用


雨樋もチタン製

 
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