アルミナブラスト仕上げチタンが、チタン初の大谷美術館賞を受賞 2005年3月22日

 新日本製鐵株式会社の「伝統美・夢素材の屋根 アルミナブラスト仕上げのチタン屋根・外装材」が、平成16年度大谷美術館賞を受賞しました。

 大谷美術館賞は、財団法人大谷美術館(東京都北区)の大谷利勝館長(日本機械学会 機械材料・材料加工部門初代部門長)が、長年、金属を研究されてきた立場から、デザインではなく材料そのものの美的評価向上に関する作品および顕著な技術・業績を表彰するために創設された賞で、このたびの受賞は、チタンとして初めてとなります。
 なお、財団法人大谷美術館は、ホテルニューオータニ創業者の故大谷米太郎氏の遺志を継いで創立された財団です。

 チタンの表面をアルミナブラスト仕上げにするという発想は、数寄屋研究所・心傳庵(しんでんあん)木下棟梁がチタンの極めて高い耐蝕性能に着目したことが発端です。酸性雨等の環境変化や瓦の釉薬等の影響で銅屋根の腐食が進む現象から歴史的建造物の保護が難しくなったという現実に対し、新日鐵に日本建築に適した表面仕上げの開発を依頼。さまざまな検討を重ねた結果、チタンの表面にアルミナをブラスト(投射)することにより、日本瓦の風合いをもつ表面仕上げを完成させました。

 木下棟梁は、1992年ごろから一休寺、光悦寺(本堂等)の屋根でアルミナブラスト仕上げの適用を開始、2003年の金閣寺茶室(常足亭:じょうそくてい)屋根がその集大成となっています。

 寺社仏閣分野でのチタン屋根の採用は近年さらに増加傾向にあり、新日鐵ではコイルラインを設置し安定的な品質で大量に生産出来る体制を構築するとともに、独自に研究を重ねてきた発色技術との組み合わせに取組み、コルテン色や緑青色(アルミナブラスト+発色)など多様な新製品を開発しています。

 東京国立博物館・平成館、奈良国立博物館第2新館の屋根、昭和館外装等、寺社仏閣以外の恒久的な大型建築物でもチタン屋根・建材の採用が進み、12年間の累積で約4万平米(131トン)の実績を挙げています。最近では個人邸の屋根での採用も始まり、需要の裾野が一般住宅にも広がる見通しです。

金閣寺茶室・常足亭

このレポートは、新日本製鐵株式会社の監修の下に作成しております
 
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