主な建物の屋根にチタンが適用!
藤の宮 高木神社(福岡県)新社殿

2014年7月8日


 英彦山神社の神領地守護のため嵯峨天皇弘仁十年(819年)に創建された高木神社(福岡県京都郡みやこ町)が一千有余年の時を経て、伊良原ダム建設に伴い、平成26年4月12日に御遷座されました。そして平成26年6月15日には奉祝祭(落成式)が盛大に行われました。

 新築された拝殿、神殿、幣殿、手水所、および小宮山様(神殿)の屋根には、緑青チタンが使用されています。緑青チタンは、この製品の使用経験がある尾塚建設代表 尾塚幸彦棟梁が推薦されたものです。話を聞いた上伊良原区長の中川準一氏もチタンについての知識があり、宮司の熊谷俊一氏と禰宜(ねぎ)熊谷晃哲(てるあき)氏を説明のため訪問したところ、寺社仏閣でチタンの使用が広がっていることを神社庁(福岡)の勉強会で知っていた晃哲氏もこれに賛同され、神社長(氏子代表)の鈴木正文氏はじめ氏子の皆様と協議の上、チタン採用が決まったとのことです。  

 酸性雨の影響がこの地でも強くなり、銅の谷樋が30年も経たないうちに穴が空くことを皆様がご存知で、福岡県の移転予算の範囲内で収まることも確認され、銅からチタンへの変更が行われたそうです。施工面では、尾塚棟梁は、屋根の下地に一寸の厚さの板を使用し(釘がはみ出して結露しないため)、また、井手板金建装社の代表、井手浩一郎氏の丁寧な仕事で、銅よりも固いチタンで日本建築の曲線美が見事に表現されました。新日鐵住金は以前より柔らかいチタンを開発しており、今回もその材料が使用されています。
 
 また、高木神社には「二十四孝」の彫り物があったことが分かり、尾塚棟梁が再現を行いました。元禄時代に、日光東照宮の職人が流れてきてこの仕事を行ったという言い伝えも残っているそうです。神社の随所にみられる深い彫り物も本当にすばらしいものです。
 
 余談ですが、長く神領であったこの地は、豊臣秀吉の時代に、氏子(上伊良原)により造営祭祀することになったとのことです。

 古代より「神体山」として信仰されてきた英彦山の麓の「高木神社」。この地域では、今でも年に10回以上も神社や集落で祭事が行われています。(2月:弓祭り(狩猟のなごり)、3月:祈念祭 5月:じんこう祭(田植えの前)秋:お御祭、新嘗祭、12月末:山神祭り(やまんかみまつり)、牛祭り等) 

「高木神社」とその文化のこれからの千年を護るために、チタンの屋根が貢献することを期待したいと思います。


■物件データ

高木神社 社殿新築工事
・施主:高木神社
・建設:尾塚建設
・屋根施工:井手板金建装社
・使用材料:新日鐵住金チタン
      アルミナブラストAD09発色(緑青)
・施工面積:約500平方メートル
・形状:一文字葺


新日鐵住金の緑青チタンで優美に葺き上げられた高木神社
盛大に執り行われた奉祝祭拝殿(左手前)、神殿(右奥)、その間をつなぐ幣殿もすべてチタンで施工
拝殿正面。左奥は小宮山様
千木、鰹木、鬼飾りも、すべて井手板金建装社がチタンで施工
尾塚棟梁が再現した「二十四孝」の彫り物(写真はその一部)

 
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