施工精度にこだわった、九州国立博物館の大規模チタン屋根が、
日経アーキテクチュア特別編集版『美しい屋根2004』の表紙を飾る
本文にもチタン屋根の記事、多数掲載
2004年10月18日

 日経アーキテクチュア特別編集版『美しい屋根2004』(2004年10月発行)の表紙に、新日鐵カラーチタンを使用した、九州国立博物館(福岡県太宰府市、2005年開館予定)のチタン屋根が掲載されました。

 また本文にも、「山の緑に溶け込む青い曲面」というタイトルのもと、九州国立博物館でのチタン屋根採用に関する詳細が紹介されるほか、同博物館の設計監理にあたった建築士界の大御所・菊竹清訓氏および、一休寺、光悦寺、金閣寺茶室など、京都屈指の名刹にチタン屋根を採り入れてきたパイオニア・数寄屋研究所心傳庵・木下孝一氏のインタビュー記事が、それぞれ4ページにわたって掲載されています。

 九州国立博物館を鮮やかなブルーで覆うチタン屋根は、総面積1万7千平米という大規模なもの。玄界灘から潮風が吹き、台風の通り道であるという博物館の立地を考慮し、耐久性の高いチタンが選択されました。さらに、ブルーという色調は周囲の景観とも調和するほか、新日鐵の多彩なカラーチタンの中でも、とくにブルーは経年変化が少なく、色合いが安定しているという利点があります。

 また、それだけの大面積の金属屋根で平坦性を確保するのは至難であり、技術的にも大きなポイントとなりました。それに関して記事本文でも次のようにレポートしています(以下、青字表記は、同誌P50より抜粋)。

 施工精度にもこだわった。まずは雨漏り対策。(中略)金属材は溶接すると熱でひずみが出るが、「止水性とデザイン性のどちらを取るか検討した結果、止水性を優先させた」(松里氏)。
 一方で、しわを極力、目立たないようにする工夫も試みた。ポイントは、チタン材にリブを付けたこと。(中略)リブの形を変えた板を何種類か試作して、設計者と共に、しわが最も目立たないリブ形状を突き止めた。結果は「かなり満足いく出来映え」(松里氏)ということだ。

 『美しい屋根2004』は、ホットで信頼性の高い建築雑誌として、建築界、ビジネス界、また、一般読者からも根強い支持を集める『日経アーキテクチュア』のスペシャルバージョンとして編集されたもの。
 社会的にも「屋根」への関心が高まり、積極的なアクションが行われようとする中で、屋根に関する新しい試みや興味深い事例が、多数紹介されています。


 
Copyright 2005 NST NIHONTEPPAN Co., Ltd. All Rights Reserved