ただ、プランを練り直すにしても、単純に部屋を増やすということでは、予算をオーバーしてしまいます。最初のご希望通り2棟を建てるとなると、とくに壁と屋根の予算が厳しくなります。そこで、「いかに質を落とさずに良い建物を、ということを考えると、1棟にした方がいいのではないか」と提案。快く了解が得られました。 親子二世帯の大家族が暮らすということで、いちばんの課題は床面積の確保。北川様のご趣味が車ということもあり、駐車スペースも2台分+αが必要でした。 やはり台形の敷地をどう活かすかが大きな課題。しかも2辺が新しい道路に面していて、その道路は車の往来が激しいと想定されました。ですから、騒音の問題やご家族の安全にも十分な配慮が必要でした。何十個も模型を作って、ああでもない、こうでもないと議論が深められました。
「他の金属屋根材とは光の反射がまったく違う。チタンのテクスチャーにもたいへん魅力を感じています。また耐候性にすぐれているため、美観面でも経年変化にも耐え得るものだと期待しています。 建築家にとって自分の設計した建物はわが子のようなもの。自分よりも早く壊されるというのは堪え難いことです。代が変わっても、たとえ持ち主が変わっても、愛着をもって住み続けてもらいたいですし、素材にこだわりデザインにこだわるというのも、いいものだから惜しい、と思ってもらえることで、少しでも壊される可能性を減らしたいという願いがあるからなんですね。 今回の仕事では、使えないと思っていたチタンが使えたこと、そしてその施工において人間の手仕事の味が活かせたことに満足しています。また、土地選びの段階から参画することができましたが、このように最初からトータルに関わった方が建築家としては能力の出しがいがありますし、施主さんにとっても大きなプラスになると思います」
一般住宅でも採用が進むチタン建材。そのバックボーンとしては、今回の事例のように、施主様の立場に立ち、いつまでも愛着をもって住み続けられる「よい住宅」を追究する建築家の方々のご活躍が大きいようです。 今後とも、弊社では新日鐵と連携し、高品位なチタン建材を、全国どこへでも必要な場所に、必要な量を、タイムリーに供給できるよう努めてまいりますので、是非何なりとお気軽にお問い合わせください。