チタン建材は、重要文化財保護に貢献できる
ルーフシステム・安藤修一取締役工場長が
日本チタン協会賛助会員総会で講演
2009年7月30日

2009年7月16日、東京都千代田区の学士会館において、社団法人日本チタン協会・平成21年度夏季賛助会員総会・研修会が開催され、ルーフシステム株式会社の安藤修一取締役工場長が、「浅草寺宝蔵門向けチタン製段付本瓦の開発」および「チタン建材の今後」をテーマに講演されました。

まずは、浅草寺宝蔵門の葺き替えで新風を巻き起こし、さらに現在は本堂の葺き替え工事も進行中ということで、依然話題性の高いチタン本瓦について、その開発秘話から、世界初の技術が生まれるに至ったプロセスまでを、ふんだんなビジュアルを用いて、わかりやすく紹介。
引き続き、チタンマーケットをいかに拡げていくかという観点から、「チタン建材の今後」について、示唆に富んだお話を披露されました。

ルーフシステムさんが深く関わる伝統建築の世界では、今、重要文化財建造物の改修が深刻な問題に直面しているとのこと。

すなわち、

1)これまでその屋根材として使用されてきた檜皮、コケラ、茅などの伝統的素材が入手困難となり価格も高騰
 また同時にそれら伝統素材を扱える技術者も減少の一途をたどっている

2)そういう中で、定期的にめぐってくる改修時において、重要文化財所有者の経済的負担や人員の確保はもう限界にきており、補助金を交付する関係から政府の財政負担も肥大せざるを得ない状況
 しかも、新たな指定により、重要文化財の数は年々増加

3)これでは近い将来、その維持継承は事実上困難

4)メンテナンス負担が軽微で寿命が半永久的なチタンを重要文化財に使用することが認められれば、所有者の負担や財政(=税金)の負担が抑制できる
 国民の価値ある文化遺産である重要文化財の健全な維持継承に貢献でき、しかもチタンマーケットの活性化につながる


以上、「チタンを重要文化財保護に」という意義深い提言に、満員の会場は、熱心に耳を傾けていました。
日本チタン協会およびその会員にとって、それぞれに取り組む分野は違っても、チタンによる社会貢献や、チタンのさらなる市場拡大は共通の願い。きっと幅広い共感を集めたことと確信いたします。

講演の概要は、PDFファイルをご覧ください。>>>>>







 
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